映画について私が全然知らないいろいろな事柄

@ohirunemorphine が、だらだらと映画についてあれこれ考えます。

【日常】Gより厄介な同居人(見えない)

部屋にネズミが巣食った。

 

天気が不安定で、
今年はあまり見なかったカメムシとのエンカウントが増えていた頃だった。
カメムシはうるさい。
カサカサカサカサなんだかやかましい。
しかし、その姿を見せることは滅多にない。
見かけたら即ティッシュで撃退する。

 

うちに出るカメムシはなぜ臭わないのだろうか

 

ちょうどその頃。
夜、台所のほうからカサカサ音がするようになってきた。
トコトコトコトコとナニかが歩くような音、
置いてある雑多なものが擦れ倒れる音。

 

カメムシ、アグレッシブすぎねぇか。
数日「今夜もなんだか地味にやかましいな」と寝苦しい夜を過ごしていたのだ。
寝付けなくて仕事に行けない日もあった。

 

うちはまともな人が住むアパートではない。
なんかおかしい人が廊下をうろついていても納得のボロアパートである。
カメムシ説はあまりにも呑気だ、と遅まきながら気づいた次は
変なおじさん説が脳裏をよぎった。
その晩は追加の酒を買いに出るのをやめた。

 

しかし、
どうやら音は部屋の中から聞こえているらしい。

なにが原因か?

 

古い木造アパートゆえに、寒暖差と湿度で音が鳴るのかも。

それにしてもカサカサいうか?

 

ポルターガイスト!
その筋も考慮しなくてはならない!

 

すっかり目が冴えてしまった私は、
おもむろに眼鏡をかけ、

 

パンっ
パンっ

 


柏手を打ちながら
狭い部屋をずずずいーっと歩いた。

 

カサッ

音の方に向かって

 

パンっ!

 

どかどかどかどかどか

 

そいつは疾風のようにあらわれ、
ありえない隙間に逃げ込んでいった。
コンロの隙間に落ちていたまま放っておいてカピカピになったパスタが中途半端に落ちている。

 

ネズミ‼︎‼︎

二階堂なら卒倒まちがいない。

 

私は頭を抱えた。

たとえこれがゴキブリなら
姿を見せなければ同居もそんななダメージはない。
死んでもカラカラの殻がどこかに残るだけだ。

 

しかし。
ネズミは厄介だ。

 

いうてもやつは肉やで。
迂闊なところで死なれちゃ困るし
増えられても困るのだ。

 

私は「ネズミ 避ける 嫌う」などの
元図書館職員とは思えないほど乏しい語彙をもって検索を試み

ハッカ油
一味唐辛子
樟脳
蚊取り線香

などを苦手とすることを調べ出した。

 

代替品としてうちにあるものは
ペパーミント精油
レッドペッパー
ネオパラエース
お香

 

まったく似て非なるそれらを撒いたり焚いたりしてるうちに
地味に夜は明けてきて
ヤツはだんだんおとなしくなってきた。

そして私はそのまま仕事に行った。

 

アパートを管理してるというほど世話をしてると思えない管理会社に電話をし、
ネズミが出るのでなんとかしてくれ、と話した。
会社は大家と話をすると言った。

 

大家から電話がかかってきた。

「なんかねぇ〜
 市役所にきいてみたらねぇ〜
 なんとかいう駆除会社があるらしくてねぇ〜
 そこでやってくれるっていうんだけどねぇ〜」

 

耄碌してるのはわかっているが
まったく要領を得ない

私は
ネズミと同居は一刻も早く解消したいという断固とした意志を示し
明日の朝に業者に来てもらうよう伝えろ、と言った。
この大家にはむしろ命令レベルの強い口調ではないと通じない。

 

ええ〜
電話してみますけどね〜
先方の予定もありますからね〜

い い か ら 電話 し ろ!!

 

さて。
撒いたブツの成果はどうなっているか。
ネオパラエースなんて噛みちぎられているんじゃないか。
缶詰に穴でも空いてるんじゃないか。
電線は大丈夫か。

私はまだ少なくとも一夜をヤツとともに過ごさなくてはならないのだ。

帰ったらお香を焚き
ペパーミントの精油をたらすことにしよう。

 

 

おまじないかよ。