東京国際映画祭の意義って。
コンペ審査員長ブリランテ・メンドーサ監督のコメントが凄いですね。
https://eiga.com/news/20181106/8/
まぁ年々規模が縮小されていってるTIFFの悲しさはほうぼうで実感しましたが、
ここのコンペの小粒感はいまにはじまったことではない。
しかし、それでも毎年光る作品が出てると
私は思っているのですが、
今回の受賞結果はほぼ3本の作品で分け合ってるのは何故だ。
私の選球眼のなさはもう自覚してますし、
この3本どれも観ていないのでなんとも言えませんが、
芸術性と娯楽性の両立は不可…
ザ・芸術、というしかない作品や
強烈なストーリーテリングに滲む確固とした作家性を感じさせる作品が
ガン無視されてる時点で
趣味の問題じゃね?
と若干クールに捉えてしまいましたよ。
メンドーサ監督はハードな社会問題を背景に作品を撮る人、という印象がある。
あくまで現実の問題ありき、で作品を撮る人なんじゃないかなぁ。
たぶんね。
まぁ今回もいつものことながら映画で世界一周的ラインナップ(総花的ともいう)ではありましたが、
『テルアビブ・オン・ファイア』なんて
実際の複雑極まりないパレスチナ問題をちょっとスパイシーなコメディにくるんで、上質にまとめた素晴らしい作品でしたよ。
これもナシってことですか?
『ザ・リバー』はどうやら観客から
「カザフスタンの現実を描写しているとは思えない」という意見が出されたようですが、
べつに現実描かなくてもよくね?
(この作品については近日ちゃんと書きたいと思っています。意図的に閉ざされたユートピア、闖入者によってそこに綻びが生じ、緩やかな、しかし確固とした力関係が生じていく過程を描いていると感じました)
日本映画は…
これはもう話題作りとして捉えたほうがいいんじゃないかしら…
「箔づけ」という言葉が浮かびました。
きっといい作品は先に海外行っちゃうんだよ!
プレミアにこだわって小粒な作品しか集められなかったのか、
そうじゃないのかは私は知らない。
でも、ここに来る前にすでに他の映画祭で受賞している作品だってたくさん来てる。
しかし、ここでグランプリとっても公開されるとは限らなかったり(『ウィー・アー・ザ・ベスト』とか……『グレイン』難解すぎだけどジャン=マルク・バールだよ……)、マニアックなミニシアターでの公開だったり(その次の作品は話題になったけどね!サフディ兄弟!)
運営が審査員側につけた注文が焦りを露骨に感じさせるよね。『最強のふたり』みたいな作品を出したい、みたいな。
けどもしメンドーサ監督なら『最強のふたり』でも評価しないんじゃないかなぁ。
プログラマーが良くも悪くもバランス感覚がありすぎる方なんじゃないかなぁ。
私は好きですよ。
実は開会式に端っこで参加してて、
そのあまりのお役所の「わかってなさ」に
全てがすべってる……とため息が出たのですが
いろんな点でお役所感はあるよなぁ。
クールジャパン連呼!寒いよ!
そんな中、部門部門はそれぞれ頑張ってるとは思う。私は毎回楽しみにしてる。
もうコンペなしでいいかもしれないね、
小文字のtiffみたいにさ。
そうしたら観客賞だけで丸く収まる。
で、矢田部さんセレクトの作品たちは「やたコレ」として1部門を占拠すればいいんじゃない?
いろんな意味でそろそろTIFFのあり方を考えなおしたほうがいいんじゃないか、と思ったりもしましたが、
フランス映画祭みたいに、ただの有料先行上映会みたいにはならないでほしいなぁ……