イエ爺の隠し球!
もうダメです、
こーふんが抑えられません。
毎年秋に行われるポーランド映画祭。
怪優としても知られるポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキ監督が毎年監修なさっている特集上映です。
毎年あまり代わり映えしないラインナップだな… と正直なところ思っていました。
しかし、ちょこちょこ見逃せない作品が出るから油断ならない。
私は仕事を全抜きする勢いで通っております。
おまえはアホか
そんなさなか。とんでもないニュースが。
スコリモフスキ監督幻の傑作『早春』
ポーランド映画祭2017で公開!
なんということでしょう!!!
私はこの映画を完全な形で観ることを心待ちにしていました。
この記事で、この作品は国内の権利関係で上映も円盤化も未だ叶っていない、と書きました。
一方、本国イギリスではもう何年か前にブルーレイが発売され、イベントで主演俳優2人が登壇、という羨ましい話を聞いていました。
ピコーン(電球が脳内に浮いた音)
円盤なら輸入すりゃいいじゃん!
買いました。どこかヨーロッパの国のやつを。
多分ジャケットが違うので本国ではないだろうやつ。ドイツかな?
しかし
私が買った円盤はうちののプレーヤーでは再生できなかったのですがぁぁぁん
実は私、十何年か前に、
某所の企画で、この作品を観ています。
テレビ放送を録画した吹き替え版で、カットされている箇所もあるらしかったのですが、
それでも静かに狂喜ものでした。
ひょっとしたらそれ以外にもこっそりと上映会のようなものはあったのかもしれませんが、
あくまでそれはひっそりと行われていたものでした。
こつこつパンフレットも探し続け、見つけたときには古書店の店員と無言の微笑を交わしたものです。
これです。今撮りました。
こんなものが即座に出てくるウチって
あのとき、「そろそろ権利クリアになりそうです」と聞いて早幾年。
私がこの作品を追い始め、いちど観ることが叶ったのは干支一回り経った頃。
それからまた幾星霜。
『早春』はずっと「幻の傑作」のままでした。
2008年の『アンナと過ごした4日間』で、
スコリモフスキ監督は17年ぶりに作品を発表しました。
再評価というのでしょうか。それから過去の作品が次々と上映されました。
『身分証明書』『不戦勝』『手を挙げろ』『バリエラ』…
私は1999年、『出発』が公開された当時、劇場で観ています。
いまはなきシネセゾン渋谷のレイトショーだったでしょうか?
音楽が超かっこいいの。
物販でサントラあった気がするけど、その時は買いませんでした。
あとで欲しくなって購入しましたが。
『出発』自体は1967年製作。主演はジャン=ピエール・レオとカトリーヌ・イザベル・デュポール。
といえば、ゴダールの映画を思い出す方もいらっしゃるかもしれませんね。
これもまた素晴らしい作品です。鏡に半身を映して遊ぶシーンが有名かも。
あと車真っ二つに割れる場面とか
これがロードショー公開されたというのはとても貴重なことでした。
というのは、先日資料を漁っているとき、スコリモフスキ監督の作品、一般公開(と言っていいのかな。映画祭とかじゃなくて、いわゆる劇場公開ね)されているのがあまりに少ないことにびっくりしたんです。
出せば公開される今とは全然違っていたのね!
一般公開されたのは、実は『出発』と『早春』(『ライトシップ』もそうかも)、そして監督として再び活動を始めてからの『アンナと過ごした4日間』『エッセンシャル・キリング』『イレブン・ミニッツ』のみ、
そして、『アンナと〜』以前の作品でほぼリアルタイム公開されていたのは、この『早春』くらいなのだそうです。
※遠山純生『イエジー・スコリモフスキ読本 「亡命」作家43年の軌跡 』,boid, 2014
なぜ私がこの作品を心待ちにしていたかは、「ことばの映画館」第3館に書きましたので端折ります。ご興味をお持ちの方機会がありましたらご一読下さいませ
(ここで冊子の宣伝するなよ)
くだらないといえばあまりにくだらない理由です。
しかし、この作品は、純粋に、私の人生を左右した作品であることに間違いはないでしょう。
ああ、観たいなぁ!
どうしても観たい!
朝イチで行くようかなぁ!泊まり込みかなぁ(めいわく)
どうでもいい話ですが、私の顔には白くて長い産毛がありました。
「福毛」というらしく、
願いが叶うとき抜けると聞いたことがあります。
それは確かなようです。
この話を聞いたとき、うろたえつつ、
顔に引っかかったホコリをはらおうとしたら
ブチッ
と抜けたのですから。
私の心願、くだらなすぎる…
私の人生のようにくだらなすぎる…