映画について私が全然知らないいろいろな事柄

@ohirunemorphine が、だらだらと映画についてあれこれ考えます。

『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』公開まで、そしてその後のいろいろなことなど。 その2(追記あり)

前回の記事がマクラだとしたら、今回も長ぇマクラになるかもしれません。

エドワード・ヤン『牯嶺街少年殺人事件』(1991) 公開までについてのさまざまな記憶は、

どうしても思い出せる限り全てを語っておかないと気が済まないのです。

この作品も長い間私の「憧れの作品」だったと言えるでしょう。

そしてその間、あまりにも「上映する、しない」に関するスットコドッコイな噂に翻弄されてきたとも言えるでしょう。

 

この作品は25年前に公開されたっきりソフト化も再上映もされずにずっといました。

「できなかった」というのが正確なようです。

弁護士でもあるシネマヴェーラ渋谷の館主のブログをご一読ください。2007年7月2日の記事、一番上にあるので探すまでもないでしょう。

cinemavera.com

まぁここで私ごときがくだくだ言うまでもなく、この作品は「やばげなところ」で塩漬けになっていたわけです。しょっぱ。

その辺まではもう皆様ご存知かと思いますので飛ばします(雑)。

 

2010年の夏のことであったでしょうか。

「ドリパス」なる怪しげなフラッシュマーケティングサイトが

Twitterで投票すると、新宿バルト9で一夜限りの特別上映!」

みたいな惹句でなんだか大々的なキャンペーンを打っていたことを覚えている方々はいらっしゃるでしょうか?

 

あったんですよそんなものが。

へぇぇ面白そう、と釣られた私が投票した作品は、イェジー・スコリモフスキ『早春』。これもまた権利関係の問題らしく日本では再上映もソフト化もされていません。

(実はテレビ放映はされていたらしく、その映像がつべに上がっています。この作品についてもまた近日書きますね)

驚いたことに『早春』には結構な票が投じられており、同志よ……と拳を握りしめたことでありました。意味はないけどなんかそういう動作をしたくなる瞬間はありますよね。ぐっと、こう。

 

結局そのキャンペーンで上映された作品は『ダークナイト』。

個人的には劇中でブンブンサテライツの曲が一瞬流れてくるのが「おっ」という感じではありますが。それかよ。いや、悪口ではありません。こういうスペシャル企画っぽいところでかけるには「え」と言いたくなるだけであります。

しかも最多得票だったのかどうかも今となっては定かではありません。

まぁ、「手持ちの駒の中から作品を上映する」という、それ以上でも以下でもなく、権利関係が厄介な作品を諸々クリアにして劇場にかけるなんて志もない、商売にならないことに手を出す好き者でもない、まぁそんなことしてたら完全に赤字です。小商いの姿勢としては全く正しい。

 

かくして泡沫ウェブサービスに期待することが間違っている、ということを学習したバカがここに誕生したわけですが、

どうやら同じようにチャレンジングな作品に投票した人が

 

たーーーっくさん

 

いたらしいのです。

しかもこっちはトップを争う得票数だったと記憶しております。

その作品が、この『牯嶺街少年殺人事件』。

投票した皆さんも権利問題については百も承知のご様子でありました。

 

当時エドワード・ヤンの作品でソフト化され観ることができたのは

『恋愛時代』(1994)『カップルズ』(1996)の2本くらい(『ヤンヤン 夏の思い出』はどうだったかなぁ?ちょっと覚えてない)。

当時住んでいたやたらと品揃えが充実していたレンタルビデオ屋で借りて観た記憶がありますが、

下宿のちっちゃいテレビで観るとどうも感覚も鈍り諸々ぼんやりしており、

「すごい」とかそんなん感じた覚えがないんですよね。

でもこれほど支持する人が多いということは、観てみたくなるじゃないですか。全然知識もなんにもないボンクラ学生としては。へぇぇ、そこまでの熱狂的なファンのいる作品、観たい!

 

今となっては、この2本の方が観ることが難しいとは不思議なものであります。

観たいんだけどなぁ!今ならきっと「うぉぉぉぉ」と声あげられるんだろうなぁ。

 

さて、

『牯嶺街少年殺人事件』上映をめぐる騒動はそれから6年後、

 

アマゾンの幻の怪魚

とか

ネス湖の怪物

 

のように再浮上することになります。UMA扱いかよ。

それはまた次のおはなし。

 

※最近知ったのですが、この作品

 

再上映(1998年)もソフト化もされていたんですね!

しかし再上映の配給は  

 

シネカノン

 

ミニシアターのいい時代を築いた会社が今はもうないということ…あそことかあそことか…

 

私たちでできることならなんとかしたいですね…  

 

現実的な話しちゃうと身もふたもないからしないけどね!